モノの力に触れられる

モノは時代の象徴と言えるでしょう。その時代の風俗や文化習慣、宗教的な価値観、技術レベル、趣味や好みなど人々の生活全般に関わる情報がつまっています。時には、性的な志向や倫理観まで分かる場合もあるでしょう。
もし未来人が現在のセックスシーンを収めたビデオを見れば、「昔の人々はセックスなどという行為をしていたんだ? 今では注射で妊娠するのがふつうなんだけど」などと思うかもしれません。そして、「豊かな精神生活」をうらやましく感じることでしょう。
それと似たことを、われわれは博物館で感じることができます。古代における道具の中から、現代のキッチン道具、携帯電話、パソコン、エアコン、テレビ、自動車、飛行機、トラクター、医療器具などなどに相当するものが見つけられることでしょう。中には何に使われていたのかわからないものもあるはずです。そして、その秘密を発見しようとあれこれ考えを巡らせることにも面白さがあるでしょう。博物館にいけば、モノの力と歴史を発見することができます。
未来の人々がわれわれを想像するであろう感覚を持ちつつ、過去を見てみれば、きっとこれまでと違う楽しみ方が見つけられるはずです。博物館を覗いてみようではありませんか!
博物館のモノの力とは?
博物館が見せているのは「モノ」です。すべて過去の「モノ」ですが、それには特有の「力」があります。現代のわれわれがモノの恩恵を被っているのと同じように、昔の人々もそれらから力を得ていました。生活の中に密着して、普段はあまりそのありがたみを感ずることはないにしても、それらは生活の中に必要なものだったはずです。そこには何がしかの時代を象徴する情報が含まれています。
われわれは、本の中で博物館を旅することができます。しかし、写真で見るのと実物を見るのとではまったく別の感触があるのは明らかです。どんなに美味しい食事でも、写真で見るだけでは美味しくはありません。実際に目の前で鑑賞し、匂いをかぎ、味わってみて初めて美味しいと分かります。
古代のモノにも同じようなことが言えるでしょう。写真ではわからない、現物ならではの迫力や神秘性が感じられるはずです。イメージしていたのよりも、ずっと小さかったり、逆に大きかったり。はるかに美しかったり、逆に思ったよりも汚いと感じられることがあるかも知れません。いずれにしても、現物には真実があります。生のモノが発するオーラ、古代の人々が実際に手にしていたものを目の当たりにしているという、時代を超える迫力を感じられます。
博物館の楽しみのひとつは、写真ではわからないモノの持つ力を実感できることでしょう。古代の人々の生活の匂いや感情が、現物からはオーラとして伝わってくるものです。それを感じることができれば、現代の自分の生活が発するオーラにも気づくことができるかも知れません。ぜひ、博物館に行ってみましょう。